高齢者の脳と身体の健康運動指導士 石井誠です

「いつも同じ内容のエクササイズを行っていて参加者が飽きてしまいました」
「簡単すぎる体操の時に手を抜いたりやろうとしない参加者がいます」
そんな質問をある指導者から頂いたことがあります。

現場では、参加者の様々な反応から学べることが沢山あります。
上記のような反応で対応に苦労される…、そこから学べることってとても大きな財産ですよね。

残念ながら私、上記のような反応の現場ってほとんど経験したこと無いんです。

という事は、参加者に飽きられないように常に変化させて、毎回参加者が一生懸命になるように刺激的な内容で…
と思うかもしれませんが。

私が現場で実施している体操は

●あまり変化させません、いつも同じような内容。
構成や順番を変えたりすることはありますし、その日にどの内容をチョイスするかは変わりますが、
選択肢となる体操の種類・内容はほぼほぼ一緒。
【出来るようにムキになって、一生懸命上手になろうとする】様な事はさせません。
なぜなら、目的をその体操を行う事にしていないから。

参加者の本来の目的は何でしょう?

その体操を上手に行う事?
では無く、

「肩や腰をスッキリさせたい」
「筋力付けて、立ち座りをラクにしたい」
「転ばないような体力つけたい」
「皆さんと一緒に過ごしたい」

など、体操を行う事でその最中やその先の自身にとって何があるか…だと思うんです。
勿論、その体操自体に楽しさや興味を持たせることも必要ですが、優先順位で言うと2番目
参加者が優先順位を逆に捉えてしまわないように、指導者はアプローチすることが大切です。

(体操自体に興味や楽しさを持たせることがスタンダード(になってしまっている…)領域もありますが…。
まあ、それはそれでその領域の世界内での話なので良し、としておきましょう)

その体操を行った後、参加者の身体や気持ちの変化はどうなのか?
体操中の参加者の意識は、ご自身の身体や気持ちに向かっているか?
皆さんと関わりたいと思っている方は、体操中に一体感や安心感を感じていらっしゃるか?

何を伝え、どの様に感じ、何に気づくか、そのような観点で指導を行う。

簡単でも、その後自身の身体が変化した喜び
いつもと同じでも、その時に身体が感じた事への気づき
出来る出来たよりも、取り組んだ自分と一緒に取り組んだ周りへの賞賛

同じことを続けるのは難しい。
加齢による様々な変化があるシニアの方にとっては、上達よりも大切かもしれません。

内容が最終目的にならないような指導、心掛けたいですね。