ある運動施設にて、初級者向けのステップエクササイズのレッスンを担当しています。

シンプルな動きで、きちんと有酸素運動の効果を得る、という内容

(有酸素運動としての目的よりも楽しい、達成感を第一の目的に複雑な動きを楽しむレッスンもあるようです。本来は動きの難易度問わず有酸素運動を安全に行うのが大前提なのですが、関節などへのリスクに対して目を瞑って(安全に動けるような指導やアプローチを疎かにして)の複雑な動きを楽しむことが優先となっている現場も見受けられますね。)

なので、
ステップエクササイズに慣れている人から始めてステップというものを目にする方まで。
若い方(といっても40代くらい?)から上は80過ぎている方まで。
参加者の層は幅広いです。
体力レベルも様々。理解のレベルも様々。
動きや反応のレベルも様々。

その様々を全てキャッチしたうえで、安全にレッスンを指導しなければなりません。

ある日のステップレッスン…

①全くの初心者
→ステップの置き方などから説明、最初に昇り降りを数回した時に苦労されてバタバタ

②数か月受けていただいているご高齢の初級者
→はじめられた当初は①と同じ様子でしたが、無理せずに自分のペースで行えるようになって、ほぼ皆勤で継続

③おそらく、フィットネスというものが日本に上陸されてから受けられている、ご高齢の参加者
→今は初級でしっかり動くのが良い、と運動効果やきつすぎない内容を求めて参加される

④色んなレッスンを受けています、グループエクササイズに対して自負がありそうな方
→最前列や指導者の近くを毎回キープ、こちらが言わなくても次の動きを予想して動作をこなします。

⑤大病後にリハビリで受けられる方
→動作反応から脳や循環器系の疾患後の様。始められた当初はホントに動きがおぼつかなくてヒヤヒヤしましたが、徐々に慣れてここ数か月は楽しさや達成感、生き甲斐のようなものを感じていらっしゃるのが身体からあふれ出ていらっしゃいます。

⑥ご高齢の男性
→基本グループエクササイズはあまり受けないの(いつもマシンなどでの筋トレをしている)ですが、シンプルな動きできちんと運動できるこのクラスは気に入っていただいている様子。

などなど、三者三様ではなく、○○(参加者人数)者○○様と言ってもいいくらいの多様性。

その集団を安全に導く、有酸素運動の効果を得られるように。
そのうえで運動を継続していただく為の楽しさも多くの方に。

そして、上記の方も、日によっては様子(体力、気持ち、動き、反応など)が違います。
いつもと同じ運動の内容や強さでも、日によってその方の感じ方が変わる‥。

全体から個々の方の様子キャッチして、個々の方でいつもの様子とその日の様子がどうか?をキャッチして。個々に捉われすぎると、全体としての進行が滞り、全体として得て頂きたい効果に近づけなくなる。

個々に寄り添いながらも、全体を進めていく。ここが集団指導としての醍醐味であり重要性。

その為には、寄り添う所とご本人に委ねるところ(信頼し、一旦引いて見るだけにする)を見極め。

見極めるために知っておきたい事

例えば
高齢者の体と心の特性とは?
初心者の気持ちとは?
理解(認知)に関する脳の働きとは?
病後の体の動きや、運動に関する留意点は?
など‥。

介護予防教室でも、上記の対応で様々学びます。そのレベルはある程度の領域内に収まっています。
運動施設だと、とてもお元気な方もいらっしゃれば介護予防教室に近いレベルの方もいるので、領域としては更に広い、という事もあるでしょう。

様々なレベルの方に対応する集団指導スキルって重要だし今後の集団運動指導の為に必要だと思うんです。

あるレベルの方にターゲットを絞って、その他のレベルの方に対しては目を瞑る、という選択肢であれば、
そこまで考えなくてもいいかと思いますが。

次は①~⑥の方に対して、ある日のいつもと違う様子やいつもの様子に対して、
どの様に対応したかをお伝えしたいと思います。