高齢者の脳と身体の健康運動指導士、介護予防体操教室指導の石井です。
指導中に、参加者が間違った動きをしていた時、普通は修正しますよね。
しかし、私は修正せずにそのまま実施する事があります。
それは見て見ぬふりではなく、場の全体の雰囲気と当事者(間違っていた方)の意識・脳の働きを鑑みての事です。
実際に起こった例です。
脳の体操で
【指導者が『1』と言ったら右脚を動かす、『2』と言ったら左脚を動かす】という内容を指導したとします。
ある方が他の方と反対の脚で行っていたとします。
【1】指導者が気付く
あれ、違うことされているな…。と気づきます。
↓
↓
【2】ルールを理解しているのかどうかを洞察する
2,3回指示を出します。ルールを理解しているかどうかを洞察します。
①何をどうするのかが分かっていない。
周りが動いているのでとりあえずどちらかの脚を出している、分からないけど適当にやっているなど
②ルールを左右反対で覚えてしまっている。
不安な様子は無く自分で判断して動いている様子。
↓
↓
【3】その方の理解度や認知機能を鑑みて、修正するかどうか考える
①きちんとルールが伝われば、内容すべてを理解された上で取り組んでいただける理解度や認知機能ならば
⇒再度正しい内容を伝える(修正する)
②内容すべてを理解するのはその方にとっては厳しいかも、理解していないのは一部分、その他のルールは理解して
考えながら取り組んでいるなら(この場合は左右反対で覚えたルールで指導者の指示を聞いたうえで考えて動いている)
⇒修正しない
③その内容のほとんどがその方にとって理解できないような場合
⇒そういう中でも、何か取り組むという事がその方にとって、意味のある事であれば修正せずに進める
⇒そうでない場合は、内容そのものを変更したり軽減して、1から指導しなおす。
↓
↓
【4】周りの参加者など、場の雰囲気を見る
①周りの方が【あれ?何かあの人違うなあ~~、おかしいなあ~~】【違う人が居るけど、私は正しいのかな~~?】
など、場が不安感やモヤモヤ感のような雰囲気になってきた場合
⇒再度正しい内容を伝える(修正する)
②周りの方が自身に集中している、違っている方に気付いているが気にしない、など場の空気が問題ない場合
⇒修正しない
指示を続けながら【1】~【4】のポイントで、参加者個々&全体を観察+洞察し、総合的に修正する・しないを判断。
一度や二度『あれ?』という反応があったとしても直ぐに修正を差し伸べずに様子を見ることが多いです。
(安全上問題がある場合は、すぐに修正します)
参加者の動きや反応、見た目・見える事だけでなく、その方の内面(脳、気持ち)までを観る・察する
そのうえで修正するかどうかを判断する
(場合によっては、その内容を取りやめて、一からやり直しや内容を変更して行う事もあります)
観察&洞察が出来るように
●参加者の身体的・精神的(認知機能や気持ち)状況を知っておく
●意識を指導者に向かわせ集中して取り組めるような、参加者を巻き込むプレゼンテーションやコミュニケーション
●参加者がお互いを尊重し合い、受け止め合える雰囲気づくり
(様々な環境がある、それぞれの取り組みで良い、表面上で捉えない、…等)
これらを意識したクラスづくりが大切だと思っています。