以前投稿の
【説明が伝わっていない…】何故かを考えてみる
について、環境から考えてみたいと思います。

聞こえやすい環境とは
【指導者の声(または聞きたいと思っている他の参加者の声)が確実にその方の耳に届く場であること】

そうでないシーン、原因、対応法
①周りの話し声や雑音、音楽などが大きすぎて、指導者の声が聞き取れない
おしゃべりに夢中で盛り上がってしまい、周りが見えなくなる・周りへの配慮を忘れてしまう、という事はよくありますよね。

●その周りの方の力を借りる
サポートのスタッフの方や他の参加者の方から該当の方へ声掛けしていただく
(遠くの指導者から大きな声で呼びかけられるより、近くの身近な方から【ちょっと(肩トントン)】くらいの方が気付いていただきやすいかも)
その為にはサポートスタッフや他の参加者で良く周りに気が利く方やお手伝いのような役割を担えそうな方と連携しておくと良いですね。

●その場の空気を変えて、その変化を伝染させる
何も言わずこちらが待つという姿勢を見せる(にこやかに)、その空気感が私の周りがから徐々に伝わり、ご本人がハッと気づく。(たまに、ホンマにいつまで経っても収まらない、という失敗もあります(^_^;))

②周りの声や音が大きくなく、指導者の声が充分だったとしても、その方にとっては聞きづらい。
指導者の声に集中したいのに、周りの声や音が気になって(ボリュームが大きくなくても)耳に入らなかったり、
その周りの声や音が優先して耳に入ってしまう状態です。

選択的注意という機能があります。身の回りにあふれる多くの情報の中から自分にとって必要な情報を取り出す機能のことを言います。
例えば、人が沢山集まるパーティなど。自分と相手が話している時にそれ以外の人が発する言葉って殆ど聞き取れないですよね。
このようなシーンで選択的注意機能が働いています。

ただこの選択的注意機能が働かなかったり、何かしらの脳の仕組みの影響で働きづらいと、聞きたい相手(指導者)の声だけ選択・取り出して入力するのが難しくなります。

教室である参加者から言われたことがあります。
『CDの音楽、耳障りだから要らない』(ビートガチャガチャせず、音量も小さくしていましたが)

また、私自身も周りの大勢の人が話している中で聞いたり話したりするのが苦手(他の人の声がどうしても先に入ってしまい、相手に集中しづらいことが良くあります)で、何度も聞き返したり、その相手の口元に耳を近づけようとします。

そのような状況の時は

●音楽を使わない(リズム体操などは別)
音楽を使わなくても指導者のプレゼンテーションスキルや話す内容の工夫で充分参加者は集中、音楽の力を使わなくても場が出来上がります。
(それくらいの話すスキルが求められている、という事)

音楽が無いと、雰囲気が…と思われるかもしれませんが、待ち時間は流しといて、話始める時に音楽を止める、で充分。
(音楽が止まると、参加者があれ?と気づいて指導者への意識にスイッチが入ることもあります)

●参加者同士の距離を確保する
グループワーク中やペアで話すようなときに外野(自分以外のグループやペア)との距離が近いと、そちらの会話が気になってしまい、同じグループの方の話し声や指導者の声が入りづらいなります。
グループワークやペアワークの際はそれぞれの感覚を十分にとるように移動していただきます。

③その場所が反響の良い部屋だとしたら、指導者の声が反響して、聞き取りにくくなる
会場によってはフィットネスのスタジオの様に反響が良く効いている場所があります。
一見、良く聞こえるのでは?と思うかもしれませんが、声が跳ね返り様々な角度からその方の耳に届くわけです。
すると注意が散らばってしまい聞き取り辛くなるかもしれません。

『先生とこうして近くで話するとちゃんと聞こえるのに、前で話されると色んなところから【ゥワンゥワン~~】と聞こえて聞きづらくなるの』

また、良く聞こえるように…とマイクを使う事もあるかと思いますが、反響は勿論ですが、そのマイクと繋がっているスピーカーが何処にあるか、も影響します。
スピーカーが部屋の複数個所にある場合は、それぞれの場所から声が届くわけですから、反響と同じような状況になりかねません。

そのような時は、よほど大きい会場で無ければマイクを使わずに肉声で指導した方が良いですね。
それ以外にも、座る場所、椅子の場所を変えてみたり、全体の椅子の向きを変えてみたり、等

環境が原因で説明が聞こえず、内容が伝わっていないという可能性もあります。
聞こえていない事で脳を使う(動かす)機会が減る。認知機能への影響も気になります。
(聞こえないから、考えられない、周りを見て真似する事でやり過ごす=考えて動いていない)
聞こえないけど、聞こえているふりをする(それを言わない)方もいらっしゃいます。

説明(指導)するときの【聞こえ】について考えてみました。