高齢者の脳と身体の健康運動指導士、介護予防体操教室指導の石井です。
間違っている事に気付かずに動き続けるお客様に対して、何度口頭で指示しても伝わらない…
そんな事ございませんか?
「右手で行いましょう」
と指示したにもかかわらず、ずーっと左手で動作を行っているお客様。
1,2回再度指示したが、ご本人は自身が左手で行っている事に気づかず。
まるで【自分は右手で正しく行っている】というようなご様子。
そんな時どうします?
「○○さん、右手でしましょう」
「〇〇さん、今どちらの手でしてますか?」
「〇〇さん、左手でしてますよ」
名指しで指示?
お客様によっては『皆の前で名指しされて指摘された…』と傷つくかもしれませんよね。
その方の近くによって、小声で指示したり身振り手振りで間違っている事を伝える?
これも皆の前で指摘されたことに繋がりますし、大人数だとそのお客様の前にまでいけないこともありますよね。
どうしましょう?
お客様の意識・注意の方向を一度リセットすると、お客様がご自身で気づいて修正されるかもしれません。
上記の【自分は正しく‥】という時は、お客様の意識は指導者の方に向かっていて【自分の身体はどこがどう動いているのか】という意識・注意の方向は弱いかもしれません。左右の違いに気づいていないかもしれません。
そのまま、動きながら指導者が『◆◆しましょう』などと様々な言葉がけと行っても、指導が流れている状態では、お客様の意識も変わらずにそのまま持続するでしょう。
「では一旦動きを止めますね」
一度場の流れを止める。お客様は身体の動きが止まる。
↓
「どうですか、右の背中のあたりポカポカ温まったかもしれませんね」
お客様は自分の身体への意識が高まる。(ひょっとしたら、そこで気づくかもしれません)
↓
「更に一つポイント伝えますね、一緒に動いてみましょう」
ポイントを強調するようにゆっくり動いて見せながら、お客様も一緒に動いてもらう
お客様は指導者の動きに注目しながら、自身の身体へも意識を払って丁寧に動こうとする。
これで、お客様がご自身で気づいて、こちらが名指しで指示・指摘せずに修正完了。
(さっき間違っていたことに気付かないままの方もいますが…)
一旦方向が定まった意識や注意の方向って、周りから声でいろいろ言っても気づかないことが多いですよね。
・スマホをずーっと見ている人
・隣の人とおしゃべりに夢中になっている人
そのような方に対して「○○しましょう」と言っても、なかなか気づいてもらえない…。
そんな時、ハッとさせるアプローチしません?
・肩をトントンと叩く
・手拍子をたたく
・その人の間近まで顔を近づける
ハッとすると、スマホやおしゃべりに向かっていた意識が一旦リセットされます。
そこで「○○しましょう」と指示。
時間がかかり回りくどいアプローチですが、特に初めて参加したお客様や自信がなさそうなお客様、名指しで指示して大丈夫なところまで関係性が深まっていないお客様の場合もいますので、この様なアプローチも有効かもしれませんね。