スクワットや、立ち座りで
『膝がつま先より前に出ないようにしましょう』と指導するケースがよく見られます。

大事なことです。もし膝がつま先よりも前に出ると、膝の関節に負担がかかってしまいます。

階段を降りる時、膝へは体重の7~8倍の力がかかっていると言われています。
膝を曲げる事はそれだけ負荷が大きいのです。
(ちなみに立っている時でも3倍の力がかかっています。)

立っている時よりも、中腰の方が太ももの筋肉が力を発揮しています。
(中腰の時に太ももをツンツンと触るとすると立っている時よりも筋肉が張っているのが分かります)
その太ももの筋肉は膝をまたいで膝のお皿の下までつながっていますので、太ももの筋肉がより強く働く事で膝の関節への
負担も高まります。
膝が前に出る事で身体の重心から膝の位置が遠くなり、その膝をまたいでいる太ももの筋肉もより大きな力を発揮しないと身体を支えられません。
という事は、膝の関節への負担が高くなる、という事。

これらの理由から『つま先より出ないように‥』と言われています。
では、そのように言われて【膝をなるべく前に出さないように…】と意識するとこのような動きになりかねません。

そう、身体が後ろのめりになったり、つま先が上がったり。

これ危ないです。つま先が上がっていると転倒のリスクが高まりますし、後ろのめりになるとそれを支えるために必要以上に腰や背中、足に力を入れてしまい、それが身体へのストレスになります。

それは何故かというと、
膝を出さないように‥、と言われると膝だけに意識が向かってしまうから。
【膝を前に出さない、前に出さない…】と膝の位置だけ気をつけて、そのほかの場所への意識が疎かになりがち。

その他とは?
股関節だったり、足首だったり、骨盤、上半身、重心のかけ方など‥

そこをどこか伝える事で、膝が前に出にくくなったりします。

『お尻を後ろに引いて』とか
『後ろの椅子に腰かけるように‥』というのは
膝以外をどのように動かすか…に意識を向ける為の声掛け。

それが、股関節や骨盤、重心のかけ方の正しい使い方に繋がっています。

正しく使えていれば、膝はつま先より少し前に出ても問題ありません。

では股関節がどのように動いて、それがどう膝の位置と関連して、正しく筋肉を使って安全でスムーズな立ち座り(スクワット)になるのか…?

こういう事を知って、利用者・参加者の皆様に立ち座りの運動が指導出来るようになると、
『膝が前に出ないようにしましょう』というよりも、更に安全で効果的、皆様が『うわ~、楽に出来る!』と
喜ぶ指導が出来るようになります。

介護予防体操の講演・研修のお問い合わせは下記へお気軽にどうぞ‥。

    お問い合わせ項目

    お名前 (必須)

    会社・団体名

    日中ご連絡できる電話番号 (必須)

    住所 [必須]
    都道府県

    メールアドレス (必須)

    お問い合わせ内容