『肩こり予防に良いですよ~~』と言われるこの体操。

では、なぜこの体操が肩こり予防に良いのかご存知でしょうか?

【肩の筋肉を伸ばすから良いのに決まってるやん】

確かにそうですね。

では、なぜ肩こり予防には肩の筋肉を伸ばすと良いのでしょうか?

肩こりのメカニズムを知ることで、肩の筋肉を伸ばす重要性が分かります。

その肩の筋肉はどの様に身体についているかご存知ですか?

肩だけではないんです。
腕や背中、首筋や後頭部にまで肩の筋肉はついているのです。
なので、肩のあたりを伸ばそうとするだけでは不充分。

その筋肉がどこからついているのかが分かれば、どういうポジションならばその筋肉が正しく伸びるのかが分かり、
参加者のポジションを正しく導くことが出来ます。

そして、筋肉は【伸ばそう、伸ばそう】とすると、逆に縮こまってしまう方もいます。

肩に痛みや不具合を抱えている方。

そのような方に、イラストのような動きを無理にさせて、【肩を伸ばしましょう】と言っても逆効果。

痛みがある場所を動かす不安感や、そこを動かす痛みが分かっている事による緊張感、そして実際に動かしたときの痛み。

そんな心の状態で、筋肉が気持ちよく伸びてる、と感じるわけがありません。

筋肉は、関節の動きに伴って動きます。

筋肉を伸ばそうとするのではなく、関節を動かす事で筋肉が結果伸びるという事。

なので、どの関節を動かすか…という着目点で体操指導をする事が大事。

痛みがある方へも、その方がどの関節の位置なら動かすことが出来るか…に着目して、指導をする。
(この写真のポジションはいかがでしょう?)
必ずしも伸ばそうとする腕をイラストのような高さまで上げる必要はないのです。

また、イラストのような高さまで上げられてたとしても、伸びが不十分だったり、
他の場所を痛めてしまうようなケースもあるのです。

イラストのような形だから、肩の筋肉が伸びて肩こり予防になる…    のではく、
ある関節を正しく動かすから、それに付着している肩の筋肉が伸びて肩こり予防になる。

そこを知っていただくと、より参加者の皆様が効果を実感して、身体を動かす楽しさを感じて頂ける、そんな指導が出来るのではないかなぁ、と思います。

9月から始まる【介護の現場で活かせる運動指導のキソ】
1日目は上肢帯(首や肩周りなど)の基礎解剖学(関節の動きと筋肉)を分かり易く理解して、イラストのようなオーソドックスな体操の指導を形だけではない習得を目指す内容を行います!