『椅子から立つときに、片足でやると立ちやすいとテレビか何かで言っていたわ~~』

???

 

そのようにお客様が仰って。

疑問に思いましたが、直接その出元を見ていませんし、お客様が断片的に言っているかもしれませんので、否定も肯定もせず。

 

「そうなんですね~~。詳しくは分かりませんので、そのやり方がどうかわかりませんが。ここでは両足で立ち座りの運動やりましょう。」

 

と言って、いつも通りに足裏、足首の動きや、重心の使い方などを意識して、膝や腰に負担少ない両脚での立ち座り(スクワット)の運動を行いました。

 

次の週、その方が腰の調子が悪いような感じでご参加。

『実は、腰が痛くて。片足での立ち座りを家でずっとやっていたら、痛くなっちゃって…』

体操中も時々腰を押さえて辛そうでした。声掛けして途中からお休みしていただきました。

 

休憩時間中にお話お伺いすると、

『私、身体痛めてた時期が長くて暫く運動していなかったの。で、このまえ体力テストやったら、その中で片足立ちテストがあって、難しくてできなかったの。』

『で、この前テレビか何かで、立ち座りを片足立ちでやると‥と言っていたから、これだ!と思ってやっていたら‥』

 

  • 片足立ちテストは、体力を測るための動き。それが出来ないからと言って、ではその動きを練習すればいいかと言うと、必ずしもそうではない。その動きで使う筋肉の筋トレやストレッチをして、正しい動き方を覚える事でようやくその動きが出来るようになる。

 

  • メディアで紹介されているエクササイズをそのままやって、効果的な方もいるし、逆効果の方もいる。あくまで紹介されているのは形だけで、実施する方の筋力や柔軟性、身体のリスクまでを考慮したものではない。実際にやるときは、自身の体力や身体のリスクを考慮したうえでやるやらない、やるにしても正しいやり方で行わないと逆効果。

 

本やテレビ、ネットなどで様々なエクササイズが氾濫しています。中にはその方の体力からすると、あまりにも難度や強度が高いエクササイズもあります。ご自身の体力を鑑みずに【○○に良いから、○○に効くから】というだけで、鵜呑みにしてやってしまうと、悪影響を及ぼしてしまう事もあります。

 

やり方(取り扱い説明書)通りに行って出来るのは、対象が画一化された規格だから。

【例えば、家電製品は同じタイプなら一個一個の性能は同一。だから取説通りにやったら誰もがその製品の機能をきちんと引き出すことが出来ます。(たまに、取説無視した使い方で故障させる人もいますが…)】

【人の身体は一人一人バラバラ。同じ年代や性別、体格だとしても。ある人のある部位は機能的でも他の人や他の部位は機能不全かも。そんな状況でだれもが同じように取説のまま行って、目的とする機能が引き出せるか…】

 

人の身体は取説通りにはいきません。なので、取説(溢れている様々なエクササイズの情報)だけを信じず、扱う自身の身体をきちんと観て、その取説が自分にあっているか?を判断することが大事。

 

判断に迷ったら、きちんとアドバイスできる運動指導の専門家にご相談ください。

私(石井)も承りますので、どうぞご連絡くださいませ。