あるデイサービスのスタッフの方から体操指導中の利用者様の反応に関する相談を受けました。

『参加しない利用者様がいる』


この相談について考えてみたいと思います。

【その体操の輪の中に入って、指導者の指示通りに動く】が参加する…と思っている事が上記のような質問に繋がります。

その方にとって

  • なぜそのような行動をとるのか?
  • この場この時間はどの様に過ごしたいのか?
  • その方のデイサービスで過ごす目的は何か?

を考えてその方のお考えや気持ちに沿った声かけや、励ましが必要です。

 

ケースA

『からだが思うように動かないから…』『ちょっと動くとすぐにしんどくなるから』

 

  • なぜそのような行動をとるのか?

【周りや教えるスタッフの足を引っ張って迷惑がかかるから?】
【出来ないという事が周りに知られるのが嫌?】
【出来ないという自分の状態を受け入れられない?】

  • この場この時間はどの様に過ごしたいのか?

【気を遣わずに過ごしたい】
【周りやスタッフから無理強いされるよりも、自分のペースでやりたい】
【出来る事があれば嬉しいが、でも出来ない事の方が多いだろうな…】

  • その方のデイサービスで過ごす目的は何か?

【家に一日居るよりも、ここに来るだけでも変化があって楽しい】
【スタッフや、他の利用者様と一緒に過ごせるだけでも刺激になる】
【私でも出来る体操をやりたい】

これらを踏まえて、

  • 輪の中に入らなくても、参加できる!
  • 身体が全く動いていなくても、その方は体操している!
  • ゴールを決めるのはスタッフではなくてその方自身

このように考えての声掛けが必要です。

ケースB

『みんなで体操なんて子供じみている』『皆で一緒にやるなんて恥ずかしい』

 

先述の

  • なぜそのような行動をとるのか?

を考えると‥

  • 皆さんそれぞれの動きの強度で取り組んでいただく
  • 輪の中に入らなくても出来る
  • その方の目的に訴えかける呼びかけ

 

ケースC

『途中で放棄したり、勝手に休んでしまう方がいる』

 

これも同様に考えると

  • その行為に繋がったのは、その方にとってもう充分な運動量になったから?
  • その場で休んでいるのがいいのか?その場から離れた方がいいのか?
  • この状況ではなくて、この行為の後がその方にとってどうプラスになるか?

 

どの様な考え方に基づいてどの様な声掛けをするか、
参加しない利用者様へのアプローチのヒントとしてご参考になればと思います。

 

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このようなケースがありました

脳梗塞後で身体の機能が落ちて、すぐに疲れるから参加意欲が無い方がいらっしゃいました。その方は退院後に体力回復のためにマシントレーニングができるデイサービスを利用しています。

マシントレーニングはもくもくと取り組まれますが、その前後に行う、グループで椅子に座っての体操は消極的。呼びかけしてもソファに座ったままで、強めに誘導して渋々と椅子に座られます。体操中も背もたれに寄りかかったまま。声も出さずに適当にされている様子でした。

 

スタッフが

『○○さん、身体を起こしましょう』

『口を閉じると呼吸ができませんよ~』と声掛けしても、反応なし。

そして、5分10分続けると、

「もういいわ‥」と言って、一緒に動くのをやめてしまいます。

スタッフが

『あと少しだから頑張りましょう。ストレッチしないと、マシンで怪我しますよ』

と言っても

「もうこれ以上キツイの無理や~~、後ろで休むわ」と言って、立ち上がりソファに戻られます。

そして、マシンの時は、さほど嫌な顔をせずにトレーニングに勤しまれる‥。

こんな日々が続いていました。

 

ここで気になるのはスタッフの声のかけ方。

  • 体操をして頂くように促す声かけをきちんとされています。利用者様の様子やお気持ち、身体の状態に寄り添うような声かけがなされていませんでした。
  • 『頑張りましょう』という励ましや、『○○しないと□□ですよ』と安全性の注意もきちんとされています。その方が、それまでにどのように取り組まれていたか、その方の取り組みについてスタッフと利用者様の共有や承認がありませんでした。

 

利用者様は‥

  • いつも椅子の体操すると、痛いし伸ばすのがしんどいから疲れる。その後のマシンに疲れ持っていきたくないから、途中で休みたい。
  • 途中で休むと、周りに迷惑かかるから、出来れば最初から参加したくない。
  • マシンで黙々とやるのが、自分のペースで出来るから好き。椅子で皆と一緒にやるのはどうも苦手。

 

と思っていらっしゃいました。

 

スタッフは

  • まず、その方の目的や意欲的に取り組めていることを聞き・確認して、共有する

『○○さん、いつもマシンでは集中して最後までゆっくりと正しい動きで取り組んでいますね。』『○○さんはマシンで頑張って、どの様になりたいですか?』

  • そして本題の集団指導について話を切り出す。
    『椅子の体操はどうですか?』

「あれはな、悪くはないと思うけど、わし病気して体力落ちたやろ。あのペースでやられると途中で疲れてくるねん。」「皆と一緒に動くのがどうも苦手で…、なんか周りがワシに、あれこれアドバイス言ってくれるのが鬱陶しいし」

 

  • ご本人の気持ちに寄り添った声掛けで指導をする。
    『○○さん、今日は体調いかがですか?ソファに座ったままでもいいですよ』

『今日もマシン最後まで集中できるように、ちょっと肩や腰の動きを軽くしましょう』

『皆さん、今日はどの辺まで腕上がりそうですか?皆さんの今日の気持ちよいところでやってみましょう、もう少し肩下げてみてはいかがです?気持ちよい方はそっちでしましょう』

『○○さん、もう充分動きましたね。ちょっと休んで、また楽になったら一緒に動いていいですよ』

などなど‥

そうする事で、その方は

  • 無理に輪の中に入らなくても、体操できるから気が楽になった。
  • 程よい疲れでスッキリしたから、その後のマシンも以前より集中して取り組める
  • ゆっくりやっても、自分の気持ちいところで行えるから、やった感がある。

 

と安心して体操に参加されるようになりました。

 

その方とスタッフの方の間でのコミュニケーションが活発になり、他の方もそれぞれに効果的なポジションで体操できるようなり、無理して身体を傷める・緊張させてしまう事が減りました。

スタッフの利用者様を観る力がつき、表面上に起こっていることだけでなく、その方の気持ちや背景を察しての声掛けが出来るようになりました。

体操指導以外の時間でも、利用者様の行動に対しての観察力が付き、利用者様の安心と意欲を引き出すコミュニケーションが出来るようになりました。

 

新しい体操のバリエーションを調べて・覚えてという準備から解放され、いつも同じような体操のバリエーションでも利用者様が飽きずに体操していただけるようになりました。

 

体操指導でのコミュニケーションスキルを上げる研修を受ける事で、利用者様・スタッフどちらにとっても、より心地良いデイサービスになる…。

 

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