介護施設や介護予防の健康運動指導士 石井です。

最近はレク体操、機能訓練体操のバリエーションに悩んだら、
YouTubeなどでの動画を参照にする方も多いかと思います。

(これ、私が地域のデイサービスで行っているものです…)

私も、時々拝見します(^_^;)
活用するときは、なぜその動きなのか?筋肉や骨格の動きや機能から考察するとどうなのか?
そのエクササイズの構成要素は?エクササイズを分解するとしたら、どの様に分解すると利用者様に伝わりやすいか?
もし、難しく感じる方や身体のリスクでその動きが出来ない方がいたとしたら、どの軽減させるか?
その内容からアレンジするとしたら、どの要素を活かすか?
などなど、様々に考えます。
動画で流れている事をそのまま伝える、なんてことはしません…(^^;)

その内容を自分なりに咀嚼して理解して伝える事で、説得力のある説明が出来ますし、
利用者様のやる気を上げる声掛けが出来ます。すると利用者様が身体を意識して動かすことが出来ます。

でも、動画を参考にする際にここまで考えないといけないか‥と大変に思う方に、
ワンポイント、利用者様に意識して動いて頂くためのアプローチ法をお伝えします。

これは、動画の内容をそのまま伝えて頂きながら出来る事なので、即実践できるかと思います。

それは、指導するスタッフが一緒に動かない!という事。

体操指導をするときに皆様は、利用者様と一緒に動作を行っていますか?

(例、背中の体操)
『では、背中の体操をしましょう、両手を前で組んで背中を丸めていきましょう!』
『いーち、にーい、さーん‥‥』
『では、右斜め下の伸ばしてみましょう、次は左斜め下に…』
『骨盤を少し後ろに傾けてみましょう』
などという声掛けで指導する方と利用者様が一緒に体操を行っています。

この動きを行っている時は、指導する方は最後までずーっと一緒に動いていますか?

利用者様が意識して、自分の意志で背中の筋肉を伸ばしているかに着目。

指導する方は途中で利用者様と一緒に動くのをやめて、基本の姿勢に戻ってみてください。
(急に、パッと止めるのではなく、さりげな~く動きを止めてみる、これはちょっとテクニック要りますが)

そうすると、それに合わせて一緒に戻る利用者様もいらっしゃるかもしれません。
これって、意識して動いているのではなく、指導者の動きをただ真似て、ついてきているだけ…なんですね。

そして、その動きを止めてしまった方が、周りを見て『あっ!』と気づいて動き始める、

その『あっ』という気づきは、意識して動く為のスイッチ。

その方は、最初は周りを見て動こうとしますが、そんなに周りをずーっと見続けながら動けるものではありません。
(指導者をずーっと見るのは気にならなくても、周りをずーっと見るのは周りの目が気になったりするもの)
そこで、その方は周りに頼らずに一生懸命動きを思い出したり考えたりしようとする。

今まで真似てついてきただけの時は、その動きを覚えようとしてい動いていなかったので、混乱するかもしれません。
そこで、指導者は安全性に関する指導だけは怠らず、でも動きの出来不出来に関しては、指導を一旦脇に置きます。

考えている事、思い出そうとしている事、意識してい動こうとしている事に関して、称賛の言葉がけをします。
『自分で思い出そうと、考えようとしましたよね。それがいいんですよ。そうしながら意識して動こうとすると、運動の効果が高まりますし、
繰り返すことで動きが正しく覚えられて、自分のものになります』
などと。

①指導者も一緒に動いて、利用者様は見てついてきているだけ。
それで利用者様が慣れたから、次々と違うものを求められ(レベルアップも含む)、違うものを提供する‥
違うものも利用者は見てついてきているだけだから、意識して動いていないかも。自分のものになっていないかも。

②指導者は途中から一緒に動かずに、利用者様の観察に注力。
利用者様は意識して動こうとして、最初は戸惑ったり混乱したりするかもしれません。
そこで、指導者は観察しての声掛けをきちんと行い、利用者様を安心させる。
利用者様が自分で意識して動けるようになるまで時間がかかるかもしれませんが、その分身体への効果が高まり、脳を刺激する事も出来、
自分のものに習得して頂ける。

①と②との違い。
次々と新しいものを考える負担が減るかもしれません。

私が、あまりコロコロと新しいエクササイズを探さずに、基本的なエクササイズで長年指導できているのは、
上記の要素も活かしているから。

ご参考にしていただければ幸いです。
ありがとうございました。

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