聞こえの悩み。以下のような悩みがあると言われています。
●聞き返すことが多い
現場で【耳が聞こえない】と言われる参加者に指導することは常にあります。
・補聴器をつけられている
・指導者の声が届くような場所の席に座られる
その様な対応はよくありますが、それ以外の配慮が必要だと思うのです。
【聞こえるような環境にする】
補聴器をつけていても、聞こえている(届いている時)と『えっ?』と聞き返されるなどで聞こえていない時って無いですか?
またその方の聴力には問題ない(例えば聴力のテストの数値は問題ない)が、聞こえていないのでは?という反応の時は無いですか?
例えば
●横や後ろから話しかけられた時に聞き返されたり、反応が無い
●面と向かって話していても、周りの音(話し声や騒音など)にかき消されてしまう。
●次々に話しかけられたり、早くで一度にたくさんの事を言った際に、聞いているようで頭に入っていない様子
実は私も、なんです。
若い時から
●騒音の中では相手の声が周りの騒音とごっちゃになって聞き取りにくい
●いきなり話しかけられると、耳では音として聞こえているが内容が分からないことがある。
●複数の人数で一度に話したり、切れ目なく次々と話す人が変わりばんこで会話が続くと、頭に入らなくなる。
電話でのやりとりが苦手でした。
■受話器越しの声よりも周りの騒音が優先的に入ってしまって、相手の声が聞き取れない
■面と向かっての場合、話始めるタイミングって顔を見たりすれば分かる。しかし電話だとそれが分からないから、聞く準備が出来ていない時にいきなりバーッと話し出されると一瞬慌てて内容が聞き取れない
■相手が見えないから、向こうは自分のペースでどんどんしゃべり続ける…それが聞く側にとっては忙しすぎて理解が追い付かない
(若いころ、電話のやり取りで仕事でミスしたり相手に煩わしく思われることが連発、それがトラウマ。電話に対する抵抗感になっています)
最近で言うとオンライン、でしょうか。
■オンライン上で一度に複数人が話し出すと、声がごっちゃになって言葉が判読しづらい。
(なので、オンライン上で発言するときのルール、めっちゃ分かります!)
でも、聴力のテストでは数値的には問題ありません。モスキート音テスト(高いピー!という音の周波数の違いで聴力の年代を見る)では、数年前に測ると20歳代でしたし。
耳から音として情報が入っても、それを脳内でどのように処理するかによっても『聞こえ』って変わってきます。
『聞く』というのは
①耳から音として情報が入る
②その音が何であるか、【言葉?楽器などの音?…?】を判別する
③その判別された情報が何であるか【言葉の意味、音の高さなど…】を理解する
④理解した情報から考えたり感じたりする【言葉と言葉が繋がって文章の意味、音の高さや連続から曲のイメージなどを知る‥等】
補聴器で聞こえるようにするのは①
でも②③④はそれぞれが働くような脳の状態にしておく必要があります。
人は沢山の音声の中から相手の声を聴き分け、処理するには、その相手の声に意識を働かせる事、集中させることが必要。
もし、その相手よりも騒がしい音が先に入ってしまっていたら‥
もし、聞く側が相手の声を聴く準備が出来ていない、相手に意識が向けられていない時にいきなり話し出されたら…
もし、聞く側が相手の喋りが続いて情報過多となり、聞くことにつかれてしまっていたら…
そうなると、せっかく伝える側(指導者)が相手にとってわかるような声のトーンや大きななどに配慮したとしても、【聞こえていない】という事になりかねません。
【聞こえていない、と防ぐための聞こえるための環境づくり】とは
◆周りの騒音や雑音を減らす
・参加者の近くでの騒音
(スタッフ間の会話や雑談、皿を洗う音、移動音などのガチャガチャ・ドンドンとした音、音楽をかける時の音量や楽器音などガャガチャ・シャカシャカした音楽でないか)
・グループワークを行う際に、周りのグループの声と聞き分けられるように、グループ間の距離を充分にとる
◆聞く準備が出来てから話しかける
・その方の視野に入ったところで話し出す
・『○○さん』と声掛けしてから話し出す
◆その方が聞くことに集中し続けられるような話し方
・一度に複数の人が話始めたり、ある人が話している時に予告なく横から割り込まない。
・喋り続けて情報過多とならにように、その方の表情や頷きなどの反応を見てから、複数の情報を伝える
相手の脳の働きに寄り添って、心地よく・集中して聞いて頂くための配慮だと思います。
【聞こえる環境】にすること、大切ですね。