参加者とコミュニケーションをとる時に【『間』を作る・待つ】ことを心掛けています。

参加者との『間』をないがしろにすると、参加者は意欲を無くすことに繋がります。

【『間』を作る】ことについてお話しします。

■説明するとき、講話を行う時。
1つの情報を言ったら一旦話を切ったり、少し間をおいてから次の情報を言います。

聞き手は、
①耳や目から情報を入力

②その情報から一つ一つの言葉、そこから単語・図式等が何かを判断します。

③その後で、その言葉の繋がりや図式等との内容を理解しようとします。

『りんごが台所のテーブルの上にあります』

これを脳の働きから考えると以下の手順で理解へと進みます。
①り・ん・ご・が・だ・い・ど・こ‥‥(音声として認識)

②『り』という言葉、『ん』という言葉、『ご』という言葉
さらに『り・ん・ご』と3つの言葉がひと塊で『リンゴ』という言葉、『それは赤くて果物で…』とリンゴがなんであるかを理解

③『リンゴ』(が)『台所』(の)『テーブル』など各単語・助詞などの繋がりから、文の意味を理解する

④意味を元に行動に移す

①→②→③→④のスピードは人それぞれです。

『膝とつま先の向きを揃えながら息を吐いて膝を伸ばしましょう。太ももに力を入れて、反動を使わずに上げ下ろししましょう』
これだけの単語・情報量が一気に押し寄せてきたら、聞き手はどうでしょう?

『膝とつま先の向きを揃えながら…』を理解しようとしてるのに、耳からは『い・き・を・は・き…』と音声が入ってくる…。
脳の中がどっちつかずになって、頭の中に入らないかもしれませんね。

参加者は、何を言ったのだろう?何をすればいいのだろう?
理解しづらくなります。

結局、指導者が動いているを一緒に行うだけで、説明した内容を意識して行えているか?と言うと微妙かもしれません。
そんな中で、指導者が見せ方を変えたり、動きを止めて観察しようとして、違う動きをすると、それもそのまま真似る。

また、説明した内容を何とか理解しよう(真似だけでなく)と思っていた方は、
【もう!こんなに早くいろいろ言われてると分からない…、追いつこうとするのは疲れるから、この時間はちょっと手を抜こう】
と集中力が途切れるかもしれません。

●『間』を意識した伝え方
『膝とつま先の向きをそろえましょう』
……(間)
(この間に、参加者は膝とつま先の向きを確認する)

『息を吐きながら、膝を伸ばしましょう』
…(間)
(自身で息を『フーっ』と吐いているのを体感しながら、膝を伸ばしている)

『このまま続けてみましょう』
…(間)
(この間に、参加者は上げ下げし続けて、徐々に動きになれる)

『反動を使わずに上げ下ろししましょう』
(動きになれたタイミングで説明するとその説明が入りやすい)

【動きに慣れるまでの(間)も重要!】

こうすると、参加者は一つ一つの情報をきちんと咀嚼しながら動きに取り組まれます。

運動になれていない方、初心者の方、健康のためにきちんと運動したい!という方に
分かりやすい、丁寧な指導を行うためのポイントの一つとして、ご参考ください。