この秋、シニア@プロジェクトの井上春菜さんと共催で
『介護の現場ですぐに活かせる運動指導のキソ』を開催しました。
介護や介護予防の現場で運動をしていますが、そこで出会う施設のスタッフの方や運動指導担当の方とお話をする中で
・本や動画を見てそれをまねて指導しているが、果たしてきちんと指導できているのか不安
・身体のことをあまり知らないので、体操指導に必要な身体の知識を知りたい
・参加者のやる気を引き出す指導をしたい
・マンネリ化してきた
などなど悩みを聞くことがありましたので、その悩み解消のヒントとなればと思い、井上さんと企画。
この講習会のコンセプトの一つに、
『ネタを増やすのではなく、伝え方を増やし、指導法を習得する』があります。
昨今、介護施設や高齢者向けの体操は様々なメソッドやツールを使ったものがあります。
色んなバリエーションを学ぶことが出来ます。
それらを、多岐にわたり漏れなく学べば、ネタが尽きる‥ことは起こらないかと思います。
しかし、それは時間や労力、費用を際限なく使い、負担は膨らみます。
様々なエクササイズを学ぶ時に、『エクササイズの形を学ぶ』が目標になっていませんか?
『どの様に伝える』『そのエクササイズの理論や裏付けとなる知識を学ぶ』は出来ていますか?
形を学ぶ事が目標だと、それが飽きられるとまた違う形のものを探す…という循環になりかねません。
そこで、私たちは『何を伝える』ではなく、『どの様に伝える』かを学ぶ講習会を提供しました。
エクササイズの内容は、どこの本や動画でもよく紹介されている基本的なもの。
それを、何をやるかを伝えるだけでなく
・そのエクササイズの目的は何か?
・それをやる事で、参加者にとってどのようなメリットがあるか?
・そのエクササイズで筋肉や関節はどの様に働くか?
・分かりやすく伝えるための話し方や動きの見せ方は?
・効果を感じるための動き方や姿勢は?
・参加者のどの点を観察すればいいか?
・参加者のやる気を引き出す言葉がけや賞賛の方法は?
・参加者のレベルや身体の調子に合わせて動きをアレンジする方法は?
などに着目して講義と指導練習を行いました。
関節や筋肉を知る、基本的な解剖学
講師によるデモ
高齢者の特性
効果的な声のかけ方
指導の循環という集団指導には欠かせない指導メソッド
参加者による指導練習
今回ご参加の方は4名。少人数でしたが、その分私たち講師陣、お一人お一人の取り組みにきちんとフィードバックをしながら、
皆様と充分にコミュニケーションをとりながら、ご参加の方同士も和気藹々とした雰囲気で、学んで頂きました。
終了後のアンケートの回答です。
このような講習会のニーズの高さを実感、求めてる方が多いという事を認識し、これからも継続的に実施しておこないます。
次回(第2期)は来年の4月頃から開催の予定です。
詳細が決まればアップいたしますので、しばらくお待ちください。
井上さんも私も、普段教えている体操の内容はいたってシンプルでオーソドックスなものが中心。
新しいメソッドやツールにはあまり目移りせず、王道の内容を長年指導しています。
それが出来ているのも、『何を』伝えるか、ではなくて、『どの様に』伝えるか、を意識しているから。
是非私たち2人の運動指導のノウハウが詰まった講習会を参加してみませんか?
来年、お会いできる事を楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いいたします。