こんにちは。
高齢者の脳と身体の健康運動指導士【石井誠】です。
参加者とコミュニケーションをとる時に【『間』を作る・待つ】ことを心掛けています。
参加者との『間』をないがしろにすると、参加者は意欲を無くすことに繋がります。
【間を待つ】についてお話しします。
(【間を作る】ことについては前回の記事をご覧ください)
こういうシーンは?
①参加者が話し終える前にこちら(指導者側)が話し始める。
『昨日沢山歩いて、夜寝たら足がつったの、そして今朝何となく……』
「あっ、それなら家帰ってふくらはぎや足首周りのストレッチをすれば…」
↓
『はい……』
『(足裏が痛いのも言いたかったのに…)』
↓
指導者が足首周りのストレッチの事を言い終わった後で
『それで今朝起きたら何となく足裏も痛いんです、今日はこのレッスン…』
「ふくらはぎや足首と足裏は繋がっていますからね、足裏は●●■★▽●☆■◇で…」
↓
(このレッスン受けてもいいかを確認したかったのに…)
『はい、そうなんですね。ありがとうございます』
(私の言ったこと無駄だったのね。もう喋るのやめよう…)
②参加者がやろうとする間を待たずに介入する
「それでは、ボールを使いますので用意しましょう」
『あれ?ボールどこに行った?』
「床に置きましたよ」
↓
(床に落ちているボールを探している)
↓
『(あっ、見つかった、ちょっと手をばしたら届きそう…)』
↓
手を伸ばそうとした瞬間に
「はい、どうぞ」と指導者かサポートスタッフが代わりに拾ってその方に渡す
↓
『ありがとう……』
(もうちょっとで取れそうだったのに、取ってくれたのは有難いけれど)
(前もそうだったし、もうこんなんなら誰かに取ってもらうまで待っていてラクしようかな)
かな)
①参加者が話し終えるまで【間】を待つ。
参加者は自分が話したい事を全て話し、相手が少し【間】を作り、頷きや復唱などを行う事で
【私の話を聞いてくれた】と安心します。
それを途中で遮ってアドバイスなど始めると【きちんと私の話を聞いてよ!】とモヤモヤした気分になりかねません。
(たまに、話があっちこっち飛んでなかなか終わらない参加者もいます…、そんな時は苦労しますね(汗))
そういう事が続くと、『なんか、せっかく言ったのに、話があなたのペースになっているし…、話し損だったかな』
と話す意欲を無くすかもしれません。
②参加者が動き始める、動き終えるまで【間】を待つ。
参加者が情報を受け止めて、判断して、考えて、行動に移し、身体が動くという反応まで脳の様々な部位を使って情報伝達が行われています。
その伝達のスピードは人それぞれ。
その人がそのスピードで脳を働かしているなら、それを遮らない方が良いですよね。
●『あれ、ボールどこに行った?』
(ボールを探そうとしている)
視野を広げる、目線を動かす、身体の向きを変えるなどして情報を入れる瞬間
「床に置きましたよ」←遮ってしまうアプローチ
●手を伸ばそうとした瞬間
自身の意志でボールを取ろう・そのために身体を動かそう、としている。
「はい、どうぞ」←遮ってしまうアプローチ
そういう事が続くと、『周りが手助けしてくれてその方がラクだから、誰かにやってもらうまで待っておこう』
と自ら動く意欲を無くすかもしれません。
手を差し伸べる方は、良かれと思っているんでしょうね。
おせっかい好きな方や、参加者の安心の為にすごく気を払っている方が行き過ぎてそうなりやすい傾向です。
勿論安全の為に必要な事は怠りず。
(転倒衝突のリスクのある環境やその方のポジションは改善・修正する)
でも、その方にとって必要な【間】(脳を働かせる=心も身体も前向きに動いている)は待っていたいですね。