介護施設の利用者の皆様に【椅子ヨガ】を提供させていただいています。

とてもご好評をいただいています。

ヨガの取り組み【三位一体】‥呼吸、目線、身体を意識すること。
より、そのメリットを考察してみました。

①呼吸から始めるので、体操へのハードルが低くて取り組みやすい
【体操】とイメージすると、利用者の皆様の中では
『キツそう』『出来るかどうか不安』『身体が不自由だから出来ない』
などとややネガティブにとらえる方もいらっしゃいます。

ヨガは【呼吸の体操】とも言われていて、呼吸を意識することがまず第一。
呼吸は誰でも普段から自然に行えています。
なので、『吸って~吐いて~』の指示に合わせて自然に取り組み始められます。

②目線を意識すると、集中力と注意機能が高まります。
呼吸に合せながら、目線を一転に集中させます。
それは、皆様がどこか一点を決めます。(どこに決めるかの考え方はお伝えします)
自分で決めた位置だから、そこに集中できる。

また、視野の範囲が狭い(姿勢の影響で目線が下がる、周りへの意識が働く範囲が狭い、など)方にとっては
動きに合せながら目線を合わせることで、視野が広がりそこから得られる情報に意識が働きます。

一点集中という一つの事に意識を高める注意機能。
目線と呼吸、2つの事に同時に意識を向かわせる注意機能。

どちらも注意機能なんですが、それを高めることが出来ます。

③身体の感覚に意識を向ける
呼吸している時の身体の感覚
例えば、胸やお腹の広がり。

また、ポーズをとる時の身体の感覚
例えば、足裏が床についている感覚(足裏のどの辺?左右の乗り方は同じ?)

そして、それを良し悪し判断しないように感じる言葉がけが大事です。
そうする事で、無理に動かそうとすることを防ぐことが出来ます。

無理に動かそうとすると、キツイ・痛いなどのストレスを感じ、それがヨガの意識とモチベーションを下げてしまいます。
その言葉がけについては、指導スキルを身に付けていただければと思います。

高齢者には、身体機能の変化、周辺環境の変化などで様々な喪失経験を経ていらっしゃいます。
また、様々な人生経験をされていて、
人と比べてモチベーションを上げることも大事だが、【自身にとってどうか】で捉えて日々を前向きに生きたい‥
と考える方も多いと思いますので、
良し悪し判断しないで、今の自分を素直に・大切に受け止めたうえでどうするか?という考え方は、
受け入れられやすいのでは、と考えられます。

私が地域の施設で担当している【健脳体操教室】
最近は80歳代後半、90代の方もご参加されます。
その方は、何かしら体の不自由をお持ちの方々。
上記の椅子ヨガ指導の考え方に基づいた指導の声掛けで、
その方々は自分のできることだけを
前向きに・集中して取り組まれて、継続されています。

椅子ヨガの指導のアプローチ

高齢者の注意機能・集中力を高めるヒントになります。