自宅で運動しましょう!と言われている世の中、
体操の動画がサイトにあふれています。

高齢者向けの体操動画も沢山あります。
この体操動画は安全?高齢者向け椅子体操動画を見極めるポイント①
の続き その②をお伝えします。

上のイラスト【膝曲げ伸ばし運動】です。
これは『太ももの前を強くする体操』として知られています。

『膝をまっすぐ伸ばしましょう』という体操の説明に要注意です。
この説明、正しく膝をまっすぐ伸ばせられる方にとっては問題ないのですが、
そもそも膝周りの筋力低下や柔軟性低下によりまっすぐ伸ばせない方が多いのです。

そのような方に『まっすぐ伸ばしましょう』と伝えて無理に伸ばすように促すのは危険。
仮にできたとしても下の写真のようになる方が非常に多いです。

腰が後ろに倒れ、背中が丸くなるんです。
この状態だと、いくらまっすぐ伸ばせてもその方にとっては太もも前の筋力発揮は不充分です。

それよりも腰や背中が丸くなることへの脊柱(腰椎)への負担・リスクが高くなります。
『痛みのない範囲まで』『出来るところまで』と言われている動画もありますが、それだけだと不充分。

更に
●動作中の姿勢
●『まっすぐ』という【動きの範囲や大きさ】だけでなく、【その方にとって太ももの前の筋肉が効くのはどの様に動かすか】

これらのポイントまで指導できている動画だと安全ですね。
膝伸ばしの体操を動画を見て行う場合は注意していください。

少しだけ専門的な話…
太ももの前の筋肉というのは膝周りだけでなく股関節周りにもつながっているんです。
なので腰や背中周りも観察する必要があります。
この体操で働く筋肉や関節の動き等を知っておくと、『膝をまっすぐ伸ばしましょう』だけではない

より安全で効果的な指導が出来ます。
このような体操の指導に携わる方は、
知っておくと指導のスキルアップ(=参加者のモチベーションアップ)に役立つ事と思います。

その辺りのノウハウはまた機会があれば、お伝えしていきますね。