介護予防のためのリハビリ体操

参加者の方が
『安全に』『効果的に』『やる気を引き出して』
取り組んで頂けるためのポイントを、これから少しずつお伝えしていきます。

今回は
①動作の見せ方

参加者が動作を理解するためには、指導者の動きの見せ方に工夫と配慮が必要です。

●正しい動作を見せているか?
人は視覚からの情報入力の割合が最も高いと言われています。(80%を超えると言われています)
参加者が新しい動きを覚える時に、まずは指導者の動きを見て覚えようとします。

説明の為に見本の動きを見せようとしたときに、一緒に動いてしまう参加者いらっしゃいませんか?
それだけ、参加者は目から入ってくる情報を頼りにして、すぐ反応します。
聴力が低下している方にとっては、言葉による説明よりも、指導者がどの様に動いているか、が頼りです。
また、認知機能の低下から【待つことに集中する】のが難しくなりますので、
指導者が「まずは、見て動きを覚えてください」と言っても、動かずにしっかり見て覚えるという事が出来なくなります。

となると、見本の動きに合わせて直ぐに真似するように参加者の方が動きます。

(見て真似するように覚える事から、しっかり【聞いて】【見て】【考えて】動作を理解・意識して動く様になるアプローチも必要ですが、
そのアプローチは別の機会にお話しようかと思います。
身体を動かす事から、気持ちや脳を動かす事も出来るので、今回は見て真似てでも動いて頂いた方が良いと考えてこのまますすめます)

その時に、指導者の動きが曖昧だったり間違った動きをしていると、参加者はその通りに動いてしまいます。
・姿勢やポジション(骨盤や上体が後ろに倒れすぎていないか、足幅や座る位置はどうか)
・動きの軌道や大きさ(膝を伸ばす際、足の高さやその時の膝やつま先の向きはどうか)
・動きのスピードとコントロール(上げる時のスピードと下げる時のスピードはどうか、反動を使っていないか)
正しい動きで参加者に見せていますか?

そして、参加者から分かり易い身体の向きや立ち位置で動きを見せていますか?
・正面から見せる動きと側面や背面で見せる動き(背筋を伸ばす姿勢や、座る位置を伝える時は側面から見た方が分かり易い)
・場合によっては指導者は立って説明した方が良い事も(参加者がつられて立たないように注意)
・見えにくい方がいた場合に、立ち位置を変えて(その方が見えやすい位置にも行って)動きを見せる

これらの工夫をする事により、参加者の方にとっては動きの理解がしやすくなりますし、指導者にとっても最低限の言葉の説明で動きが伝わりますので
簡潔に動作を伝える事が出来ます。その分、参加者とのコミュニケーションや動きの観察(洞察)や注意点や動きの修正といった次の指導のポイントに進むことが出来ます。

指導者としての正しい動きと見せ方が出来ているか
一度振り返ってみると良いかもしれませんね。
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