『声を出しましょう』という事は簡単なんですよね~。
私は、出来るだけそれ以外のアプローチで、皆様が声を出して頂けるように心がけています。
なぜって?
もし、私が受ける側でしたら、指導者から『声を出して』と言われるよりも、自分で『あっ声出さな!』『そやなぁ、声出した方が良さそうやな』と思ったり、自然と声出した方が気分良いから。
こちらが指摘するよりも、ご本人に気づいていただく方が、前向きな気持ちで声を出せる。
例① 参加者の皆様と充分にアイコンタクトを取って、私がしっかり声出しているのを少し大げさに見せる
アイコンタクトを取ることで、参加者は安心感を得ることが出来て指導者への関心も高まります。その関心が高まっている時に、少し大げさに声を出すようなボディアクションを見せる事で、参加者は『あっ、声出すの忘れていた』と気づき自発的に声を出します。
『声出しましょう!』という時は、一旦動きを止め、その言葉がけの為に流れが止まってしまいますが、この方法だと流れを止めずにアプローチ出来ます。
例② 声を出しやすい雰囲気を、指導者の声の抑揚やテンポを意識した声掛けでつくる
説明の時とカウント数える時の声の抑揚を変えてみます。
動きの説明をするときは丁寧に優しく(表情も)、実際に動く時は力強さやメリハリつけた声のトーンで(表情もすこしキリっとしつつパッと明るく)
声が小さくなっているなあ…という時は、なにも指摘せずに指導者だけでも声のパワーを一段階上げてみると、参加者はそれに引っ張られるように声を出す。
最初の第一声が重要。その第一声が勢いづくと、そのまま声が良く出る。その為には、『行きましょう!!せーの!』『4,3,2、はい!!』などと、スタートの声掛けをいかに元気よく行うか。
例③ 声を出した方が、自分にとってメリットあるんだと思って頂く。
なぜ声を出すのか?指導する側からだと【呼吸をとめないように】
でも、参加者側からするとそんな理由は響きません。
声を出す事でどんな良い事があるのか?【お腹の筋肉使うから姿勢の安定】【唇動かすから顔の筋肉使って表情が良くなる、脳を沢山使うことが出来る】などなど
声出した方が、自分にとって良さそうだな…と思って頂けるような言葉がけで、声出したい!という意欲を出す。
例④ 自然と発声するプレワークで、声を出す事へのハードルを下げる
指導者と握手してみる、隣の方と握手してみる。相手との手の温度の違いや、握る力や手の感触で自然と『あんた、温かいわね~』『うわ~、結構力あるんやね‥』などと自然と言葉を発するワークを入れた後なら、声出しやすい雰囲気になっています。
例⑤ そもそも声を出す事がゴールなのか?
声を出していなかったとしても、その方が息を止めることなく運動しているのであれば、無理に出させようとしなくても良いですよね。大きな声でなくても、その方が声を出すという事を意識していれば、小さな声で盛り上がっていなくても良いかも。
出来るだけその方の脳や気持ちを刺激して、体操に取り組んで頂く…。
ご参加の方が集中力高く、意欲的に取り組んで頂けるように‥。
集団運動指導のプロとして、【楽しく】【安全に】【効果的な】この3つのバランスがとれた体操指導を提供していきたいと思います。