介護施設などの高齢者施設での運動指導で、
・利用者様が集中していない
・マンネリ感が漂う
という悩み(相談)を聞くことがあります。

私も、施設によっては上記のような状況の下で指導を行うという事があります。

そんな時に、目新しいエクササイズや新鮮で利用者さんをグッと楽しませるエクササイズがあれば‥と思うかもしれませんが。

でも、私が指導しているエクササイズは、いたってオーソドックス。
(膝の曲げ伸ばしや、立ち座り、太ももの裏側のストレッチなど、教科書的な体操バリエーションがほとんど)

利用者さんが【集中するか】【飽きるか】はエクササイズの内容も要因かもしれませんが、
その場の雰囲気や、利用者さんの意識(覚醒)度合いにもよります。

ただ、何となくやっている‥
スタッフ(指導者)が言うからやっている‥
スタッフのやった通りに後から真似して動く…
動くテンポが一定

これらを
自分の意志で身体にスイッチを入れる
自身で動きをコントロールする
自身で動きのメリハリをつける

こんな風に動いて頂けると嬉しいですよね。

指導者の声のかけ方を変化てみてはいかがでしょうか。

①カウントの取り方を変えてみる。

動きながらの数の数え方を変えてみましょう。
『4つで上げて、4つで下ろす』
『2つで上げて、2つで下ろす』『8つで上げて、8つで下ろす』『2つで上げて、6つで下ろす』
など、往復の動きがあるときに、行き帰りのカウントを変化してみます。
そうすると、その変えたカウントに合わせて、身体を動かす必要があります。
利用者さんは今までと同じスピードで動かすと変えたカウントに合わないから、スピードを調節しようとして、
意識が高まります。

また、カウントを変える事で強度や筋肉の働き具合も変えられますので、今までとは違った運動効果も期待できます。
(運動生理学やフィットネス理論の話になりますので、詳しい事は、直接お問い合わせください)

②声のトーンを変えてみる

『では、脚を上げてみましょう、せーの!』『腕を伸ばしてみましょう~~、もう少し遠くから伸ばしてみましょう~~』『4つで下ろしましょう、1,2,3,4』

声のトーン(強弱、高さ、パワー、メリハリ)は変化させてますでしょうか?

『では、脚を上げてみましょう、せ~の!!!!
『腕を伸ばしてみましょう、もう少~~~しとぉ~~くっ!!!
『4つで下ろしましょう、1,2、さぁ~ん、し~~~~~いっ!

動作を誘導する指示(動きはじめや、動きのリズム・タイミングを伝える時)は少しオーバーな位のメリハリで
利用者さんをグッと巻き込む

③説明は簡潔に、間を作って、利用者さんのペースを活かす

『では、膝の曲げ伸ばしをしましょう、4つで上げて4つで下ろします、痛くない範囲で上げながら呼吸を止めないようにしましょう、それからつま先を上げておこないましょう、では一緒に声を出しながら行きますが宜しいでしょうか?』

『膝の曲げ伸ばしですね』
→利用者さんがこれから動かすところに意識を向けるのに少し間を置く、ひょっとしたらちょっと足を動かそうとする方もいらっしゃるので
そういう方に『そう、そこです(#^.^#)』と声掛け

『動きはこうです』
→まずは言葉による説明よりも、動きを見せる

『これを、4つで上げて4つで下ろします』
→利用者さんが動き理解したのを確認して、カウント説明

『今日の頑張れるところまで動かしましょう』 『呼吸を止めないようにしましょう』
→一文に伝えたいことを入れ過ぎない、一つの文章に伝える情報をシンプルに

『はい、皆さんその調子で良いですね。では次からはつま先を上げるようにしてみましょう』
→効果をさらに高める指示は、まず基本的な動き方が出来てから、次のステップで伝える

これらの事を意識すれば、いつもと同じ動きや、同じ説明内容でも、
利用者さんのペースに寄り添うことができ、そのペースを活かして展開出来ます。
そうする事で利用者さんが自身の身体をきちんと感じ、指導者から発する言葉により集中することが出来ます。

(トレーニングの効果を高める要素の一つに『意識性の原則』というものがあります、ただ何となくやる・指導者の動きをまねする、のではなく、自身で動かすところにきちんと意識を向ける事)

高い集中力とテンションが漂う体操指導に場を作ることが出来ます。
そして体操後は、『ふぅ~~~~!』と脱力を誘導して、安心感の笑顔、頑張った事への褒め言葉をかけて、場のメリハリをつけてみてはいかがでしょうか?

私は、実施する体操内容はいたってオーソドックス。でも声のかけ方を工夫して、利用者さんを飽きさせないように心がけています。

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